第10回 空き家を相続した場合の対応

放置するとリスクが大きくなる不動産相続

「親の家を相続したが住む予定がない。」
「空き家のまま放置してよいのか不安。」
「固定資産税だけ払い続けている。」

相続のご相談の中でも、不動産(特に空き家)に関するものは非常に多くあります。

相続した不動産は、使わなくても自動的に維持管理の責任が発生するため、放置することでさまざまな問題が生じる可能性があります。


このようなお悩みはありませんか?

  • 相続した家に誰も住む予定がない
  • 老朽化して倒壊が心配
  • 草木が伸びて近隣から苦情が来ている
  • 固定資産税だけ負担している
  • 売却するかどうか決められない

空き家を放置するリスク

空き家をそのままにしておくと、次のような問題が発生することがあります。

  • 建物の老朽化による倒壊・破損リスク
  • 雑草や樹木の繁茂による近隣トラブル
  • 不法侵入や防犯上の問題
  • 管理不全による行政指導(特定空家等の指定)
  • 固定資産税の負担継続

特に「特定空家」に指定されると、税制上の優遇が受けられなくなる場合もあります。


相続後の主な選択肢

空き家を相続した場合、主に次のような対応が検討されます。

① 売却する

最も一般的な方法です。早期に現金化することで管理負担を解消できます。

② 賃貸に出す

需要がある地域では収益化できる可能性があります。

③ 解体して更地にする

老朽化が激しい場合や売却しやすくする目的で行われます。

④ 相続放棄(相続開始直後の場合)

借金なども含めて判断し、相続自体を放棄する方法です。

⑤ 相続土地国庫帰属制度を利用する

一定の条件を満たす場合、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。

2023年から開始された制度で、利用には審査と負担金の支払いが必要ですが、「売れない土地」「管理が難しい土地」の受け皿として注目されています。

ただし、

  • 建物が残っている土地は原則対象外
  • 境界や権利関係が不明確な土地は難しい
  • 一定の管理負担金が必要

など、誰でも簡単に利用できる制度ではありません。


相続放棄との関係に注意が必要です

空き家がある場合でも、すでに相続手続きを進めている場合には注意が必要です。

例えば、

  • 固定資産税を支払った
  • 建物の修繕を行った
  • 家財を処分した

といった行為があると、相続放棄の判断に影響する可能性があります。

そのため、相続開始直後の段階での判断が重要になります。


相続人が複数いる場合の問題

空き家は、相続人が複数いると次のような問題が起きやすくなります。

  • 誰が管理するか決まらない
  • 費用負担で揉める
  • 売却の合意が取れない
  • 放置状態が長期化する

結果として、誰も責任を明確にしないまま時間だけが経過するケースも少なくありません。


早めの整理が重要です

空き家問題は、時間が経つほど

  • 建物の価値低下
  • 修繕費用の増加
  • 相続人間の対立の深刻化

といった問題が進行します。

そのため、相続発生後できるだけ早い段階で方針を決めることが重要です。


当事務所がお手伝いできること

当事務所では、

  • 相続人の調査・確定
  • 不動産を含む相続関係の整理
  • 遺産分割協議書(遺産分割証明書)の作成支援
  • 空き家の今後の対応整理
  • 相続土地国庫帰属制度の利用可否の整理
  • 必要に応じた司法書士・不動産業者との連携

など、相続不動産に関する実務的な整理を行っています。

「売るべきか残すべきか分からない」「国に引き取ってもらえるのか知りたい」という段階でもご相談いただけます。


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実際の手続きや判断については、個別事情により異なりますので、必要に応じて専門家へご相談ください。