遺産分割協議は「判断能力」が前提になります
「相続人の母が認知症で施設に入っています。」
「遺産分割の話をしても理解できない状態です。」
「このままでは相続手続きが進められません。」
このようなご相談は少なくありません。
相続手続きの中でも特に重要なのが遺産分割協議ですが、この協議は相続人全員の合意によって成立します。そして、その前提として各相続人に**判断能力(意思能力)**があることが必要になります。
このようなお悩みはありませんか?
- 相続人の一人が認知症で施設に入っている
- 会話はできるが内容の理解が難しい
- 財産の説明を理解できない状態
- 遺産分割の話し合いに参加できない
- 手続きが止まってしまっている
認知症の相続人は代理が必要になることがあります
判断能力が十分でない場合、そのままでは遺産分割協議を行うことはできません。
この場合、家庭裁判所に申し立てを行い、**成年後見人・保佐人・補助人(成年後見制度)**を選任する必要が生じることがあります。
選任された後見人等が、本人に代わって遺産分割協議に関与することになります。
成年後見制度は現在、大きな見直しが進んでいます
成年後見制度は2000年に開始された制度ですが、利用しづらさや「一度開始すると長期間にわたり継続する」といった課題が指摘されてきました。
そのため現在、法制審議会において民法改正に向けた見直し(改正要綱案)がまとめられ、国会での審議・成立に向けた手続きが進んでいます。
主な見直しの方向性としては、次のような点が検討されています。
- 後見・保佐・補助の枠組みの見直し
- 本人の意思をより尊重した制度設計
- 必要な範囲・期間に限定した柔軟な利用
- 制度の使い勝手の改善(終了・見直しの柔軟化)
この改正により、将来的にはより利用しやすい制度になることが期待されていますが、現時点ではまだ施行前であり、従来の制度に基づいて手続きを行う必要があります。
成年後見人が必要になるケース
次のような場合には、成年後見制度の利用が検討されます。
- 認知症が進行し判断能力が常時欠けている
- 財産管理や契約内容の理解ができない
- 遺産分割協議の内容を理解できない
- 本人の利益を守る必要がある
注意が必要なポイント
成年後見人が選任された場合でも、自由に遺産分割ができるわけではありません。
- 本人に不利益となる内容
- 不公平と判断される分割内容
- 他の相続人の一方的な提案
などは、家庭裁判所の関与のもと慎重に判断されることがあります。
早めの対応が重要です
相続は時間が経つほど関係者が増えたり、財産関係が複雑になることがあります。
特に認知症の相続人がいる場合は、後見制度が必要かどうかの判断を早めに行うことが重要です。
当事務所がお手伝いできること
当事務所では、
- 相続人の調査
- 戸籍収集・相続関係説明図の作成
- 遺産分割協議書(遺産分割証明書)の作成支援
- 成年後見制度の概要説明
- 必要に応じた専門家(司法書士・弁護士)のご紹介
など、相続と成年後見が関係する複雑な案件にも対応しています。
「認知症の相続人がいて手続きが進まない」と感じた場合でも、まずは状況を整理することが重要です。
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実際の手続きや判断については、個別事情により異なりますので、必要に応じて専門家へご相談ください。